有機肥料と化学肥料

有機肥料と化学資料は効き方に差
 生物それ自身、または生物から作られたものを「有機物」、それ以外のものを「無機物」といいます。植物は無機物から有機物を生産します。すなわち、光合成により二酸化炭素、水、養分を原料に、糖をはじめ体内成分や自分の体を作ります。
 これらの無機物の原料には植物の成長に不可欠な元素(必須元素)が含まれています。その数は少なくとも16以上と言われ、一元素でも不足すると栄養障害が発生します。このうち炭素、酸素および水素は、土壌中の水や大気の二酸化炭素から供給されます。残りの元素は土壌、化学肥料および有機物に由来し、いずれの場合もイオン(プラスまたはマイナスの電荷をもった原子や原子団)の形で植物へ取り込まれます。土壌中に無機イオンとして溶けている窒素、カリウムなどが養分として根から吸収されるのです。
 ただ、化学肥料と有機物(有機質肥料、堆肥)では、無機イオンになるまでの時間が異なるため、作物への効き方が違います。例えば、化学肥料の硝酸カルシウムが水に溶けると、窒素分の硝酸イオンが土壌に現れるので窒素の効き方が早いのです。
 一方有機物の場合、タンパク質などが土壌微生物により分解され、アンモニアを経て硝酸イオンと変化します。硝酸イオンの発現に時間がかかるため、窒素の効き方がおだやかです。
(道立道南農業試験場研究部長 赤司 和隆)(2008.2.2北海道新聞より引用)
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