糖尿病から眼を守る(3/2)

◎糖尿病の眼の合併症には、他にどのようなものがあるか。
高血糖による抹消神経障害および代謝異常などにより、糖尿病網膜症の他にもさまざまな合併症が起こります。
失明につながる白内障、血管新生緑内障(けっかんしんせいりょくないしょう)の他に、黄班症(おうはんしょう)、屈折(くっせつ)・調節異常、角膜障害、虹彩(こうさい)・毛様体炎(もうようたいえん)、外眼筋麻痺(がいがんきんまひ)、虚血性視神経症(きょけつせいししんけいしょう)などがあります。
合併症の中には、通常であれば角膜障害のように激しい痛みを感じるものもありますが、抹消神経障害を起こした糖尿病患者さんでは痛みを感じない場合があり、治療が遅れてしまうことがあります。早期発見をし、進行をくい止めるためにも、眼科での定期的な検査は大切です。
○下記は糖尿病の眼の合併症が起こる割合です。
糖尿病網膜症:30〜60%眼底出血を起こしたり、失明に至ることもあります。
白内障:20〜60%水晶体が白く濁り、視力障害をきたします。
角膜障害:10〜70%角膜の表面が障害され、ドライアイなどが起こります。
黄班症:10〜20%視力低下、歪み(ゆがみ)が起こります。
血管新生緑内障:3〜5%眼圧が高くなり、視野障害をきたし、失明に至ることもあります。
屈折・調節異常:2〜8%近視が進んだり、老眼が早く出ます。
虹彩・毛様体炎:1〜5%視力低下、霧視(むし)が起こります。
外眼筋麻痺:0.2〜1%眼球運動障害をきたします。
虚血性視神経症:0.2〜0.5%頻度は低いですが高度の視力障害を残します。