函館の五稜郭の設計図

五稜郭の2史料が指定文化財に 幕末に描かれた設計図と平面図
五稜郭初度設計図
 函館市教委は9日までに、幕末に描かれた「五稜郭初度設計図」(市立函館博物館収蔵)と「五稜郭平面図」(函館市中央図書館収蔵)を市の指定文化財とすることを決めた。市指定文化財の追加は2年ぶりで、五稜郭関連の図面の指定は初めて。
 両図とも和紙に彩色、軸装した状態で保管されており、描かれた年代は、どちらも五稜郭着工の1857年(安政4年)以前と推測されている。
 このうち「初度設計図」は欧州の城塞(じょうさい)を参考にした計画初期段階の図面とみられ、五稜郭を設計した武田斐三郎の直筆である可能性が高い。市教委は「五稜郭建設の経緯を示すものとして極めて価値が高い」と評価する。
 一方、「平面図」には建物や上水道の位置などが細かく描かれている。現在の実測図との差も少ないため、史跡調査や復元整備などにも使われている。市教委は五稜郭内の建物などの配置状況を最終決定するために描かれたものとして「復元整備を進める上で欠くことができない根拠史料」と位置づけている。
 今回の追加で市指定文化財は計86件となる。
北海道新聞2008.10.10一部抜粋)