キャベツ50トン廃棄処分へ

◎キャベツ50トンを泣く泣く廃棄 南幌・鹿追 価格暴落で需給調整。
 【南幌、鹿追】ホクレンは18,19の両日、道内有数の産地である空知管内南幌町十勝管内鹿追町でキャベツ計50トンを廃棄した。消費低迷による市場価格の暴落を受け、全国農業協同組合連合会(JA全農)が緊急需給調整に踏み切ったため。
 北海道によると、8月の札幌の市場平均価格が前年比約4割安の一キロ44円になるなど、全国的にキャベツの価格が低迷。今回の緊急需給調整では、価格の安定を図るため、全国の主要産地5道県のキャベツ7145トンを市場に流通させないことを決め、道内では対象になった50トンを廃棄した。
 南幌町では19日、2カ所で25トンを廃棄した。このうち農業生産法人ライフの畑では、トラクターで次々とキャベツを砕いた。本間秀正社長(53)は「寂しいけど、食べていけなければ仕方ない。消費者には分かってほしい」と肩を落とした。
 鹿追町では18日、2戸が25トンを廃棄。坂本俊英さん(51)は「今のままなら出荷しても利益が出ない。何とか価格が持ち直してほしい」と話した。
 道内では8月上旬にも後志、上川両管内でダイコン100トンを市場に出さず、一部を廃棄しているが、ホクレンは「現時点で他の作物では緊急需給調整は検討していない」(広報宣伝課)としている。
北海道新聞2009.09.20朝刊一部抜粋)