農薬入り保護液 有機JAS資格停止も

◎農薬入り保護液、道内農家が使用 有機JAS資格停止も
 農薬成分が混入した中国製の園芸資材「植物保護液」を使用したため、農林水産省が認定する「有機JAS(日本農林規格)ほ場」の資格を失う農家が道内で出ている。
 農水省によると、この「植物保護液」は、千葉県佐倉市の園芸資材販売業者「三浦グリーンビジネス」が二〇〇〇年から輸入・販売していた「NEW碧露」と「緑豊」。十二日まで自主回収し、同省は「回収状況を確認中」(農産安全管理課)という。
 天然由来をうたっていたことから全国的に有機栽培農家で使用されていたが、同省が分析した結果、病害虫防除用の農薬の有効成分であるロテノンが含まれており、無登録農薬に該当した。同省の調査に対し、同社は、ロテノンの添加は中国の製造会社で行われたとしている。
 両液を有機JASほ場で使用した場合、最終の使用時から一年間は資格を失う。道内の有機農家などでつくるNPO法人「北海道有機認証協会」の長良幸副理事長(石狩市)は「栽培面積の広い道内ではそれほど使われてはいないが、病害虫被害でせっぱ詰まった人には使った人もいた」という。資格停止の道内の具体的な件数について、農水省は「明らかにできない」としている。
 有機栽培向けの園芸資材での農薬混入は、昨年、中国製の植物保護液「アグリクール」でも起きている。
北海道新聞2009.09.13一部抜粋)