化学肥料75%値上げ

ホクレンが化学肥料を75%値上げ15品目、農家の影響300億円。
 ホクレンは7月4日、主要な化学肥料15品目の平均販売価格(一トン)を今月販売分から前年同月比75.7%値上げすると発表した。平均値上げ幅、15品目の価格とも過去最高になり、道内農家への影響額は年間303億円に上る見通し。ホクレンは値上げ分の一部を農家に補てんするため約63億円を計上、実際の値上げ幅を同60.8%に抑える。
 ホクレンは道内の化学肥料流通量の75%にあたる60万トンを農協を通じて全道の農家、酪農家に販売している。道内農家では毎年春に肥料を使用することが多いため、秋まき小麦などを除いて農家への実際の影響は来年春になる見通しだが、今後、農産物の価格高騰など、消費者への影響も懸念される。
 15品目の価格は、今月から前年同月比10−130%上がり、一トン4万−17万円台になる。道内で使用される化学肥料の半分を占める複合肥料(BB肥料)は、一トン約6万9千円が同82%増の約12万5千円になる。
 ホクレンによると、世界の食料需要の急増によりリンや窒素の原料価格が前年同月に比べ3倍になるなど、国際相場の急騰が今回の値上げの原因という。
 ホクレンは今年4月、15品目の一部について肥料年度(7月−翌年6月)内では異例の期中改定を行い、平均10.9%の値上げを実施。その後もメーカーから打診を受け再度の値上げを決めた。4−6月分の平均価格と比べた場合でも、57.2%の値上げとなる。
 ホクレンは、肥料値上げ分の一部を補てんする63億円のほか、6億円を全道の農協に配分し、農家への支援に充てる。ホクレンは「値上げは苦渋の決断。農家と消費者に大きな影響が出ないよう、今後も最善を尽くす」(肥料農薬部)としている。
北海道新聞一部抜粋)