保育園児の朝食抜き・睡眠不足

◎保育園児の生活乱れ深刻 道保育園保健協が調査 「朝食抜き」「睡眠不足」8割超
 道内の8割以上の保育園に、朝食を抜き、睡眠不足の状態で来園している園児がいることが、北海道保育園保健協議会が行った初の調査で分かった。親の意識や生活の変化が原因とみられる。一方で親の厳しい勤務状況を反映し、長時間保育も常態化。生活の乱れから、情緒不安定になる園児も増えているという。
 朝食を時々抜いてくる園児がいる園は札幌で84%、札幌以外で91%。常時抜いてくる園児がいる園は札幌で45%、札幌以外は35%に上った。
 睡眠不足児がいる園は札幌で93%、札幌以外で94%だった。札幌では7%の園が、園児の3割以上が睡眠不足と回答している。親の生活が夜型になり、寝る時間が遅いうえ、朝食を抜く習慣が増えたためとみられる。
 一方、9時間以上預けられる園児が半分以上を占める園は札幌で41%、札幌以外が25%。厳しい経済状況から、長時間勤務や共働きを余儀なくされる親が多いのが背景にあるようだ。
 これに伴い、「情緒不安定で他児との関係が持てない」「疲れやすく体力がない」園児が増えているとの回答が多かった。しつけがうまくできず、ストレスから心の病にかかる保護者も。保育士も親や園児への対応に、疲労感を強めている結果も浮き彫りになった。
 調査を担当した藤女子大保育学科の吾田(あづた)富士子准教授は「全国的な傾向で、道内でも親の生活が優先され、一部の子どもが厳しい状況に置かれていることが分かった。国は施設拡大と、保育の長時間化を図っているが、現状は短時間勤務の臨時職に頼らざるを得ず、トータルの保育ができにくくなっている」と話している。
北海道新聞2008.05.13一部抜粋)