北海道農産物野菜に低温被害

◎寒い春、農産物を直撃 アスパラガス変色
 上空の強い寒気の影響で、9日から低温傾向が続く道内で、出荷期を迎えたアスパラがしおれるなど、農作物被害が広がっている。寒さは16日ごろからやわらぐ見通しだが、各地では、農家が刈り取りを早めるなどの対応に追われた。
 グリーンアスパラ(露地)の作付面積が約190ヘクタールと全道一の名寄市では、9日から14日までの最低気温が連続して氷点下を記録。作付の全域でアスパラの先端が凍結で変色して出荷できなくなり、道北なよろ農協(名寄市)は被害額を1億1千万円とみている。
 同農協選果センターでは14日から18日までの集荷をストップ。各農家は新しい茎を出すため、変色したアスパラを刈り取る作業を進めているが、市内の農家は「出荷ピーク時に痛い」と嘆いた。
 富良野市のふらの農協も9日、アスパラを早めに刈り取るよう組合員に指示した。
 道農政課によると、上川管内を中心に空知管内の一部でも、アスパラに被害が出たほか、桧山管内厚沢部町では発芽直後のじゃがいもに生育遅れが出る見通し。
 札幌管区気象台によると、9日以降の道内は上空に3月下旬並みの寒気が入り込んだ上、好天が続いて放射冷却現象が起き、気温が下がった。道内では10日から14日にかけて、27地点で5月の最低気温の記録を更新し、稚内市沼川では13日、平年を7.0度下回る氷点下8.1度を観測した。
(2008.05.15北海道新聞一部抜粋)