ジャガイモ新品種「さやあかね」

◎北見農業試験場が開発したジャガイモの新品種「さやあかね」
 疫病や害虫に強く、無農薬で栽培しても収量がほとんど減らないジャガイモの新品種「さやあかね(北育8号)」を、北見農試が農水省の委託を受けて開発した。甘味やホクホク感は「男爵イモ以上」との評価もあり、「コロッケに向く」と食品加工業者も期待を寄せている。
 「さやあかね」は皮の色が赤みを帯びているのが特徴で、1995年、ジャガイモの疫病に強いインドの品種「Iー853」と、害虫「ジャガイモシストセンチュウ」に抵抗力がある「花標津」を交配して誕生。収量や食味、生育状況など各種実験、調査を重ねた末、2006年10月に農水省に登録申請した。
 実験データでは、04年から06年にかけて、「さやあかね」と「男爵イモ」を農薬や化学肥料を使わず栽培した結果、男爵イモの収穫量は農薬を使用した通常の栽培法に比べて約5割減ったが、さやあかねは1割弱しか減らなかった。また、04年から2年間、コロッケ加工の実験に参加したサンマルコ食品(札幌)は、さやあかねの食味を「男爵イモと同等かそれ以上」と高く評価した。同社は「イモらしい風味の強い点が、消費者にどう評価されるか注目したい」と期待しており、今後も商品化を視野に調査する予定だ。
 さやあかねは今後、全道各地の委託農家で種イモを増やした上で、3年後にも本格的な栽培が始まる。
(2007.05.09北海道新聞抜粋)