メタボリックシンドローム

 日本人の死因の3分の1はガン。その次が心臓病、そして脳血管疾患です。脳血管疾患もいろいろありますが、その中でも動脈硬化を元の起きる疾患が全体の死亡の約3分の1を占めています。これらの動脈硬化は何が原因で引き起こされるかという部分では、以前からコレステロール中性脂肪が指摘されていました。ところが昨今の研究で、それだけではないことが分かり、そして新しくうまれたのがメタボリックシンドロームという概念です。
この概念の基盤になるのが肥満です。腸の周りに脂肪がたまるのを内臓脂肪型肥満です。
主に皮下に脂肪がたまるのを皮下脂肪型肥満といいます。実は、内臓肥満型肥満が悪の元凶だと最近分かってきた。
最近脂肪は身体をコントロールするホルモンを分泌します。細胞の大きさが小さなうちは、ベプチン、アルボネクチンという良質のホルモンを産出します。ところが肥大脂肪細胞に変質すると動脈硬化を引き起こすホルモンを出します。つまり、内臓脂肪型の時には悪性の物質を分泌し、体に悪影響を及ぼすのです。内臓脂肪の蓄積があって、血圧が高く、糖尿病があり、そして、高中性脂肪血症や低HDLコレステロール血症がある状態がメタボリックシンドロームということになります。男性でウエスト85cm、女性で90cm。これが現在のメタボリックシンドロームの診断基準のひとつです。
(2006.08.19 北海道新聞より一部抜粋)