アトピー性皮膚炎の診断と治療

◎診断と治療
 アトピー性皮膚炎であるかどうかの診断は、湿疹の状態、続いている期間、アトピー素因をもついるかなどを考慮したうえ、血液検査、パッチテスト、皮内テストなどによって総合的に診断します。
 治療法としては、まず炎症を鎮めることです。アトピー性皮膚炎の場合、強いかゆみによってかくことでさらに皮膚の抵抗力をなくすという悪循環をくり返しています。
 この悪循環を絶つためにも、ステロイド外用薬、抗ヒスタミン剤、抗アレルギー剤の内服薬を使用したり、最近では免疫抑制剤を使って炎症を抑えます。
 炎症が治まったら、その後は保湿剤を塗って皮膚の抵抗力を高め、再発を予防していきます。
乳幼児の場合で、検査によって特定の食物によるアレルギー反応が明らかに現れる場合には、抵抗力の出てくる年齢までその食物を食べない食餌療法を行うこともあります。
 しかし、検査結果が陽性でも、食べさせて症状が出なければ、その食物を制限する必要はありません。
 子どもは発育ざかりです。できるだけ栄養にかたよりが出ないように、替わりの食品を探すなど配慮が必要です。
(監修 順天堂大学浦安病院皮膚科教授 高森健二「からだがかゆい」)