アトピー性皮膚炎の症状

アトピー性皮膚炎の症状の症状は、年齢によって変わってきます。
乳児のころには、新陳代謝がさかんで、いろいろな湿疹ができやすく、なかなかアトピー性皮膚炎と診断しずらい時期です。
しかし、生後3ヶ月ころから、頭や顔に赤みを帯びた湿疹ができ、赤ちゃんがそれをかゆがり、こすっているうちにグズグズと湿疹が水気をおびてきます。また、よだれの多い子は、口の周りや頬が赤くただれたりします。湿疹は顔全体に広がり、さらには上半身や手足にまで広がることもあります。
 幼児期から小学生になると、乳児期のようなグズグズした湿疹がしばらく続くことがありますが、多くは、乾燥してきます。
 湿疹ができやすいのは、主に汗をかきやすいひじの内側やひざの裏側などです。耳の付け根に割れ目ができて痛む耳切れも見られます。このころは、湿疹がくり返しできる部分は、皮膚がかたくなる苔癬化(たいせんか)を起こしています。
アトピー性皮膚炎は、一般的に学齢期までに3分の1が治りさらに残りの3分の1は成人するまでに治るといわれていましたが、最近ではそのまま成人になっても症状が続く例が多くなりました。成人のアトピー性皮膚炎は、顔や上半身を中心に、幼児期よりもひどい症状が現れることが多く、強いかゆみを伴い、皮膚も苔癬化して厚くなります。
順天堂大学浦安病院皮膚科教授 高森健二 監修 からだがかゆい!)より