青函連絡船洞爺丸慰霊祭

◎犠牲者の霊 安らかに…洞爺丸慰霊祭
 1954年9月26日の洞爺丸台風事故の犠牲者をしのぶ慰霊祭が、命日の26日、北斗市七重浜の慰霊碑前で行われた。出席した遺族らは半世紀前の大惨事を思い起こし、犠牲者の冥福を祈った。
 慰霊祭は、函館市仏教会(須藤隆仙会長)が中心となり毎年開いている。ことしから青函連絡船殉職者遺族会(澁谷武彦会長)も加わり、僧侶約20人と遺族約30人が参加した。
 碑前には、花束などが供えられ、僧侶が読経する中、遺族らは焼香し、静かに手を合わせた。海の近くに足を運び、涙する遺族も見られた。
 司厨長として勤務中の父の栄さん(享年48歳)が犠牲になったという富樫淳次さん(68)=函館市時任町=は「船員の遺族会は一昨年に解散したが、北海道の発展に寄与した青函連絡船の出来事を風化させないためにも慰霊祭は続けたい」と話していた。
 洞爺丸台風事故は、青函連絡船洞爺丸、第十一青函丸、日高丸、十勝丸、北見丸の5隻が台風15号による突風や高波で沈没し、乗員379人、乗客1051の計1430人の犠牲者が出た。
函館新聞抜粋)