団塊世代の就農支援強化

 全国の農協(JA)を代表する全国農業協同組合中央会(全中)は10日、団塊世代を中心とした定年退職者を地域の農業に呼び込むため、定年後の就農希望者への支援を強化する方針を明らかにした。
 農地のあっせんや研修会の開催、農業機械のリースなどで就農を支援。直売所や地元の加工業者への販売、技術力や出荷力に見合った営農指導などを通じて所得確保を促す。11日に決議する農協の全国大会議案書に盛り込む。
 一定規模以上の中核農家に補助金を重点配分する政府の新しい経営安定対策が2007年度から始まるのに対し、新対策の対象外となる小規模農家を支え多様な農業者を育成することで、地域農業の振興を後押しする。
 都市居住者が農村生活に適応できるよう、地域の農協による交流の在り方を研究。都市部と農村を橋渡しし、研修などを受けながら段階的に農業を始めることを可能にするための体制を整える。
 定年退職者への就農支援では、これまで各農協が個別に説明会や農業研修などを実施。全中による04年度の全国調査では、1割弱の69の農協が支援している。
 全中は農業発展のためには、中核農家だけでなく、地域社会を支える多様な農業者への包括的な支援が必要だと判断。安倍新政権は「再チャレンジ」を重要課題に掲げ、定年後の就農者数についても拡大を目指す構えで、全中はこうした取り組みとの連携も検討、各農協への働き掛けを強める。
北海道新聞抜粋)