函館産かぼちゃから基準値超す残留農薬

 市立函館保健所は6日、市内の1農家で生産され、新潟県長岡市に出荷されたかぼちゃから、残留農薬基準を超える農薬が検出されたと発表した。原因は調査中だが、摂取しても健康への影響はない量という。道内・市内への流通はない。同保健所によると、農薬約800種の残留農薬基準を設けた「ポジティブリスト制度」が5月29日に施行されて以降、基準違反事例は全国で3例目、道内では初。
 このかぼちゃは無農薬栽培をしている農家が生産し、函館市亀田農協(同市昭和4)を通じ、長岡市のほか富山県高岡市、長野県長野市の3県に約13トン出荷された。
 農薬は「ヘプタクロル」という殺虫剤で、基準を超えて検出されたのは長岡市分のみ。同農協は長岡市内に流通した約1・5トンのうち、市場にあった約0・6トンを自主回収し、未出荷分約0・7トンとともに焼却処分した。
 農薬の検出は8月26日、新潟県から同保健所への連絡で分かった。道立衛生研究所で、自主回収分と未出荷分の各2個を検査した結果、5日までに、3個から基準(0・03ppm)を超えるヘプタクロル0・05―0・06ppmの検出が確認された。同保健所によると、一生涯毎日食べ続けても身体に影響はない量とみられる。
 ヘプタクロルは1975年に使用・販売が禁止された。同農協では「無農薬で作られたかぼちゃから、なぜ検出されたか分からない」とし、原因が明らかになるまで、所管地域のかぼちゃの出荷を自粛する。
 市農林水産部は、道や農業試験場など関係機関と協議し、原因調査に乗り出す。同部は「土壌や堆肥(たいひ)に含まれていたか、少雨により、根深いところから水分を吸収した可能性など、いろいろな要素が考えられるため、原因究明に努めたい」としている
函館新聞抜粋)