酒の強い人は痛風リスクが倍

■酒の強い人は痛風リスクが倍になると防衛医大チームが遺伝子解析
 酒に強い遺伝子を持つ人は、酒に弱い遺伝子を持つ人より約2・3倍も痛風になりやすいとの研究成果を防衛医大などのチームがまとめ、5月16日付の英科学誌電子版に発表した。酒に強い人は飲酒量が多いとも考えられ、飲酒が痛風を発症する危険性を高めることを改めて裏付けた。
 チームは、体内でアルコールを分解する酵素「ALDH2」に着目。この酵素を作る遺伝子に変異があると分解酵素がうまく働かず酒に弱いとされる。日本人男性の痛風患者1048人と痛風でない1334人で、遺伝子の変異の有無を調べた。
 その結果、遺伝子に変異がない人は、変異がある人より、痛風を2・27倍発症しやすいことが分かった。日本人の約4割は、遺伝子に変異があり酒に弱いタイプという。
 防衛医大の松尾洋孝講師は「痛風生活習慣病だが、遺伝子との関連も強い。遺伝子を調べてリスクが高い人が分かれば、個人差に応じた予防や治療につながる」と話している。
(2016.05.17北海道新聞より一部抜粋)