今年の函館港のクルーズ船入港は最多の36回

■クルーズ船入港、最多の36回 今年の函館港 乗客は昨年の3・6倍
【函館】函館港の今年のクルーズ船の入港数は、15日に今年最後の入港となった「飛鳥2」(5万142トン)を含め、計36回となり、昨年の14回から2・5倍以上増えた。函館を訪れた乗客乗員数は船舶の大型化もあって約6万5千人になり、昨年の1万8千人に比べ3・6倍増。入港数、乗客乗員数とも過去最多となった。
 数字を押し上げたのは、クルーズ船運航の世界的大手、米国プリンセス・クルーズ社の道内クルーズへの参入だ。
 同社の客船「ダイヤモンド・プリンセス」(11万5875トン、定員3774人)が7回函館入港したほか、ダイヤモンドに次ぐ「サン・プリンセス」(7万7441トン、定員2850人)も6〜9月の毎週日曜に計12回入った。このうちダイヤモンドは、函館入港史上最大の客船で、毎回満員に近い観光客が乗り込み、計2万3千人を運んだ。
 クルーズ船による上陸客が急増したため、関係機関は、外国人観光客対応などの拡充に追われた。市港湾空港振興課は外国語による観光案内のガイドの回数を増やしたほか、またバス会社やタクシー会社は、入港に合わせた利用態勢を整えたという。
 一方で、函館に公衆無線LANサービスが少ないことや、英語の案内表示が足りないなどの課題があらためて浮き彫りになった。
 来年の函館入港は、道内ツアーを取りやめる「サン・プリンセス」の寄港がなくなるため、入港数、乗客乗員数とも今年に比べ、減る見通し。ただ、クルーズ船の増加傾向は今後も続くとみられ、同課は「入港数20回を目指し、誘致に力を入れていきたい」としている。
北海道新聞より抜粋)