「おがくず」でセシウムを吸着

【北海道旭川】「おがくず」でセシウムを吸着〜被災地で実用化目指す
 道立総合研究機構の林産試験場(旭川)は、「おがくず」を熱してつくる放射性物質の吸着材を開発した。吸着材は粉末状で、水中に含まれる放射性物質セシウムストロンチウムを除去でき、東京電力福島第一原発の事故の被災地での汚染水処理などで実用化を目指す。吸着材は間伐材や木くずからも作れる利点もあり、道産木材の新たな活用法としても注目される。
 吸着材は、道産木材の「おがくず」を270〜300度で約2時間熱し炭化させた後、自然に冷ましたもの。同試験場利用部マテリアルグループ主査の本間千晶さん(52)らのグループと京都大生存圏研究所の共同研究では、水中のセシウムを96〜98%、ストロンチウムを92〜96%吸着することが判明。海水を模した食塩水の中でも効果があることを突き止めた。
 吸着材に加工できる木材も調べたところ、カラマツやトドマツなど道内の主要樹種はすべて使えることを確認。「おがくず」やチップなど、木の状態も問わないこともわかった。
(2014.5.11北海道新聞より一部抜粋)