函館の五稜郭を世界遺産に

【函館】函館の五稜郭世界遺産
 函館の市民団体「函館の歴史的風土を守る会」(歴風会)は2月21日、函館市内の国の特別史跡で、今年6月で完成から150年を迎える五稜郭世界文化遺産登録を目指し、4月にも期成会を設立すると発表した。
 世界文化遺産登録は、五稜郭を舞台にした函館野外劇を発案し、2012年に85歳で死去したフランス出身のフィリップ・グロード神父が提唱したもので、その意志を引き継ぐ。五稜郭がモデルとしたフランス式要塞のうち、フランスの軍事技師ボーバンが設計した12基は08年に世界文化遺産に登録されている。
 歴風会の佐々木肇会長は「今年は節目の年。市民とともに登録へ前進させたい」と語った。歴風会と函館日仏協会が中心となり、市民らに期成会への参加を呼びかける。
 設立後は署名を集め、函館市などにフランスとの連携を要望する考えだ。
 五稜郭は洋学者武田斐三郎(あやさぶろう)が、函館に寄港したフランス軍艦の副艦長にフランス式要塞の図面を写させてもらい設計。1864年(元治時元年)6月15日に完成した。現在は観光名所や市民の憩いの場になっている。
 五稜郭に詳しい田原良信・元市立函館博物館長は「ボーバンが造った要塞はフランスに200近くある。アジア各国にもフランス式要塞が残っており、こうした地域と連携した運動になれば面白い」と話している。
(2014.2.22北海道新聞より引用)