規格外野菜を販売へ

■規格外野菜を販売へ 八雲の障害者作業所が収穫、宅配サービスも
 【八雲】道南の八雲町内の障害者作業所「八雲シンフォニー」(東町)が、農家が生産しても流通ルートに乗せられない規格外の野菜を販売し、障害者の施設利用や職員の雇用につなげる取り組みに乗り出す。障害者が収穫や袋詰め、加工まで手掛ける計画で、町農林課は「人手不足で手が回らず、収穫せずに処分されていた野菜を活用できる」と期待している。
 町農林課が発案し、事業は本年度の国の緊急雇用創出事業に採択され、指導にあたる職員3人を同作業所が11月から1年間、新たに雇用した。
 JA新函館落部支店によると、町内で事業の対象となる農家は約80戸あり、同作業所が今月中に生産組合を通じて農家にアンケートを行い、扱える野菜の量と種類を把握する。町内の農家によると、種類によって毎年数%から2割ほど、規格外の野菜が出るという。
 作業所職員と障害者が12月から順次、対応可能な農家を訪れ、形が悪かったり、曲がったりしているだけで市場に出せないダイコンやカボチャ、長ネギなどを収穫・収集する。
 価格は市販の野菜よりも3割ほど安くし、町内を移動販売するほか、注文を受けて高齢者や共働き世帯などに宅配する。
 農家には、売り上げに応じて野菜の代金を支払う。年間の売り上げ目標は300万円という。
 チーフとして採用された林文三さん(61)は「将来はコロッケなど総菜もつくりたい」。作業所に通う山本麻美さん(29)も「野菜を使ってお菓子をつくり、多くの人に食べてもらいたい」と事業の拡大に意欲を見せる。
 作業所を運営するNPO法人やくも元気村の赤井義範理事長は「事業を広げて施設の利用者を増やし、職員の雇用拡大にもつなげたい」と話し、町農林課も「消費者と農家、障害者の3者にメリットのある仕組みを作りたい」としている。
(2013.11.18北海道新聞より抜粋)