日光浴のビタミンD生成

■ビタミンDの生成は冬の札幌では他の地域より長い日光浴76分必要
 成人が1日に必要な量のビタミンDを体内で作るには、冬の札幌では76分間の日光浴が必要との研究結果を、国立環境研究所(茨城県つくば市)の中島秀彰室長らが8月30日付けの日本ビタミン学会機関紙に発表した。他の地域では、より短い時間で済んだ。
 ビタミンDは骨の形成を促し、がん予防につながるとされるが、日本では不足気味との指摘もある。キノコや魚などの食べ物から摂取するほか、紫外線があたると体内で作られる。中島さんは「冬の北日本では、適度に太陽光を浴びたほうがよい」としている。
 中島さんらは、必要量全てを体内で作る場合に必要な日光浴の時間を試算した。12月の正午の晴天時に顔と手の甲を露出した状態を想定すると、札幌では76・4分、つくばでは22・4分、那覇では7・5分だった。7月はそれぞれ4・6分、3・5分、2・9分とごく短時間だった。
 食物からの摂取量を考えると、日光浴が必要な時間は個人差があるとしている。
 中島さんは「紫外線を浴び過ぎると皮膚に悪いと、避ける人が増えているが、ビタミンDは食物からの摂取だけでは不足しがちだ」と日光浴の効果を指摘した。
(2013.8.30北海道新聞より抜粋)