メタンハイドレートが愛知県沖で産出

■次世代ガス産出量12万立方m 陸上試験の9倍超
 独立行政法人石油天然ガス・金属鉱物資源機構(JOGMEC)は3月19日、愛知県沖の東部南海トラフ海域で約1週間実施した次世代資源「メタンハイドレート」からのガス産出試験で、メタンガスの産出量が約12万立方メートルに達したと発表した。
 海洋での産出は世界初で、カナダの陸上で2008年に日本などが実施した試験での産出量(約6日間で約1万3千立方メートル)の9倍以上の規模となった。JOGMECは「産出量は想定より多く(開発が進めばガス調達の)コスト削減効果があるかもしれない」としている。
 道内近海では、北見工大などの研究チームが網走沖でメタンハイドレートの採取に成功している。
メタンハイドレート
 天然ガスの主成分となるメタンガスが水分子と結び付いた物質。
海底下の地層など低温高圧の環境下に固体で存在している。
 愛知県沖の東部南海トラフなど日本近海に、国内の天然ガス消費量の約100年分が存在するという過去の調査結果もある。
 海底下の地層から取り出すには、膨大な費用や高度な技術が必要でこれまで産出が難しかった。
(2013.03.19北海道新聞