原発の危険性訴え続けた小出裕章助教

原発は機械で、壊れない機械はない。
原発を動かしているいるのは人間で、誤りを犯さない人間はいない。
だから原発は安全とは、絶対言えない。
 第一原発の核燃料は、溶けて土台のコンクリートに漏れている。地下水汚染に備え、地下に防壁を造れと言ってきたが、何もできていない。政府発表で、大気中にばらまかれたセシウム137は広島原爆168発分。実際はその数倍と思う。海にも流れている。
 京大にはおもちゃのような原子炉がある。実験室は放射線管理区域といって、出るとき、1平方メートルあたり4万ベクレルの汚染があると出られない。
 ところが政府調査で、福島はもちろん首都圏の多くが同じくらいの汚染と分かった。何百万人もが放射線管理区域に住んでいる。
 技術に平和利用も軍事利用もない。あるのは平時利用か軍事利用かだけ。国民の多くは、日本は核兵器を造らないと思っている。だが、高速増殖炉を断念しないのは核燃料の材料のプルトニウムを造るためだ。
 マスコミは、原発報道には推進と反対のバランスが大事という。でも3・11以前、反対の声を取り上げるところは皆無だった。
(2012.08.04北海道新聞