高齢者の健康は口腔ケアから

歯周病や口の中の汚れが、時には糖尿病や肺炎などの疾患に影響を及ぼす。
 「口の中を清潔に保つことは全身の健康や長生きにつながる」。北海道医療大歯学部の千葉逸朗教授(保健衛生学)は強調する。
 千葉教授によると、歯周病などの口腔疾患は肺や心臓など全身のさまざまな疾患に影響を及ぼすという。例えば歯周病菌による慢性の感染症が起きると、インスリンの作用が抑えられて糖尿病に影響を及ぼす一方、糖尿病になると免疫力が低下して細菌が増殖し、歯周病が進む悪循環に陥りやすい。
 また口の中の細菌などが原因の感染性心内膜炎や、唾液や食べ物が誤って気道に入り込むことで細菌感染する誤嚥性肺炎なども引き起こす。特に免疫力や飲み込む機能が低下した高齢者に多い誤嚥性肺炎は、再発を繰り返す特徴があり、薬の耐性菌ができて効きにくくなるため高齢者の大きな死亡原因の一つとなっている。
 歯周病は30代以上の約8割が感染しているとされるが、虫歯のように症状がすぐに出にくいため進行してしまうケースも多いという。
では、口の中の汚れや歯周病の進行を抑えるためには、どんなケアが必要なのか。
1:歯磨きはできれば食後に毎回行う。
2:リハビリ訓練では、顔面や舌の体操、唾液腺マッサージなどを毎日行う。
(2011.08.10北海道新聞より一部抜粋)