放射線物質が海に沈殿も

東日本大震災犠牲者(2011.04.05語午後8時現在)
死亡1万2431人
行方不明1万5153人
■ フランス放射線防護原子力安全研究所(IRSN)は福島第一原発から流出する高濃度の放射物質を含む水などが海洋に与える影響予測を発表した。微粒子の形で海底に沈殿する放射性物質の危険性を指摘し、長期の監視が必要と警告。放射性物質が魚介類の体内で濃縮される可能性も指摘した。
 IRSNは、海流のデータなどを基にしたコンピューターシュミレーションの結果から、放射性物質のうち海水に海水に溶け込んだものについては水中で拡散し、海流で遠方に運ばれるため危険性が少ないと示唆した。一方で、微粒子の形で海中にとどまる物質は海底に沈み、長期間汚染が続く可能性があるとした。
 特にセシウム134は数年、セシウム137は約30年にわたって海中にとどまるとして「沈殿が疑われる日本の海岸地域では、長期にわたる調査が必要だ」と指摘した。
 放射性物質が魚介類の体内に蓄積され濃縮される可能性については
セシウムの場合、軟体動物や海藻の濃縮率は50倍、魚類は400倍と危険性が高まることを指摘。
放射性ヨウ素の場合は逆に、魚類で15倍だが、海藻で1万倍になるなど、物質と生物種の組み合わせで、汚染の状況が多様になるとの見解を示した。
(2011.4.26北海道新聞抜粋)
文部科学省は3月30日までに、福島第一原発周辺の水深112〜160メートルで28日に採取した海水から放射性のヨウ素セシウムを検出した。
 いずれも法令が定める濃度限度以下だが、原子力安全委員会は30日「(魚介で植物連鎖による)生物濃縮の懸念がある」とした。
 原発から沖に約20〜30Kmの5ケ所で採取、うち4カ所で放射線物質を検出した。最大で水1リットル当たりでヨウ素131が2.17ベクレル、セシウム137が8・64ベクレル。
(2011.3.31北海道新聞より抜粋)