北海道立函館水産試験場の入居先

◎ 函館市が函館港に建設予定の研究拠点施設「国際水産・海洋総合研究センター」に、道立函館水産試験場が入居することが固まった。センターは、同市が推進する国際水産・海洋都市構想の中核施設で2014年度に開設予定。研究機関の入居が明らかになるのは初めてで、市は大学・研究機関誘致の弾みになると期待している。
 国際水産・海洋都市構想は漁業や水産加工の拠点として発展してきた函館市に研究機関を集積し、新産業の創出を図る計画。市は函館水試のほか、北大水産学部、公立はこだて未来大などの誘致を目指している。
 函館市湯川町にある函館水試は、イカやホタテなど道南の水産資源の調査・研究機関。築46年の施設は老朽化し、移転を検討してきた。センターへの移転は他の研究機関と実験設備を共有できる利点がある。
 センターは函館港の旧函館ドック跡地約6ヘクタールに各種研究設備のほか、生きた魚に触れられるプールなど市民が海や科学に親しめる施設を設ける。総事業費は約40億円で12年度に着工を予定している。
 函館市の西尾正範市長は「水試の移転が正式決定すれば、他の研究機関誘致の呼び水になる。構想実現への第一歩としたい」と話している。
(2011.02.20北海道新聞より抜粋)