高性能巡視船開発へ

海上保安庁 東アジアの緊張に対応
 現在38隻を保有する従来型の千トン級巡視船は全長が約80メートルで波高が6メートルを超えると航行できないが、新たに開発する巡視船は約90メートルに大型化し波高8メートル程度まで耐えられる仕様とする。赤外線を使い夜間でも周辺の船を探索できる装置も配備、航行と監視両面の機能を向上させる。
 不審船や工作船を発見した場合の、停船命令などを表示するための電光掲示板を船体に設置。従来船と同様に30ミリ機関砲1機を装備する。
 11年度から設計に入り、順次4隻を建造。1隻当たりの事業費は55億円前後となる見通し。必要経費として10年度補正予算で約24億円、11年度予算案で約23億円を見込んだ。
 警備範囲は、主に東シナ海北方領土周辺など中国、ロシアに接する領海を想定しており、必要に応じて日本の排他的経済水域EEZ)全域に展開する。
 海上保安庁は、世界最大級となる全長約150メートル、約6500トンの巡視船も現在の1隻から2隻に増やす計画を進めている。
(2011.01.13北海道新聞より)