化学物質過敏症1/3

◎ごく微量の化学物質にも反応、体調不良に。多い女性患者。
北里研究所病院臨床環境医学センター(東京都港区)坂部貢センター長 ■相模原病院臨床センター 長谷川眞紀副センター長
★「引越しをしたあと、頭痛、めまい、鼻水などの体調不良が続いています。シックハウス症候群でしょうか」
A子さんは築3年の一戸建て住宅を購入。床や壁などを少しリフォームして入居した。引越し後から目の疲れや肩こり、頭痛、倦怠感に悩まされるようになった。やがて、たばこの煙や芳香剤、印刷物のインクなどのにおいをかいでも気分が悪くなった。
上記のセンター長に診てもらった。
● シックハウス症候群は室内で起こる健康障害のことで、広義にはカビやダニによるアレルギーや比較的大量の化学物質による中毒なども含まれる。が、近年、問題になっているのは、「化学物質過敏症」とみられる病態だ。
 化学物質過敏症の米国の定義では、大量の化学物質に暴露(ばくろ)されたあと、あるいは微量な化学物質でも長期間さらされたあとに、ごく微量の化学物質に接しただけでさまざまな変調をきたす、とされている。
 新築やリフォーム後の家屋には塗料や接着剤、シロアリ駆除剤など多くの化学物質が使用されている。入居当初、鼻をつくにおいが気になったり、目がチカチカしたりしても、多くの人はやがて慣れてしまう。
 が、なかには適応できないどこか、鼻水や蕁麻疹(じんましん)、のどの腫れ、頭痛、肩こり、不眠、集中力の低下、イライラなどの不定愁訴がひどくなる人も。また、問題の家以外の場合でも症状が出るようになる。
「アルコールにも強い人、弱い人がいるように、化学物質に対する感受性も個人差が大きいのです。」と坂部センター長
※続きは9月30日に書きます。