運動量が多いとがんリスクが低い
◎よく動く人、がん遠ざける。厚労省研究班が調査。
仕事か余暇かにかかわらず体をよく動かす人は、そうでない人より、がんになりにくいことが厚生労働省研究班の疫学調査で明らかになり、10日発表された。
男性は大腸、肝臓、膵臓のがんで、女性では胃がんでそうした傾向が目立った。詳しい原因は解明されていないが、研究班は、運動で肥満が改善されたり、免疫機能が高まったりすることなどが関係しているのではないか、と推測している。
調査は、岩手から沖縄まで9府県の45−74歳の男女約8万人を約8年にわたり追跡。期間中に約4300人が何らかのがんにかかった。
激しいスポーツをした時間や、歩いたり立ったりした時間、睡眠時間などをアンケートし、対象者の平均身体活動量を算出。その量の多さによって4グループに分け、がんとの関連を分析した。
その結果、身体活動量が最多のグループは最少グループに比べ、がんになるリスクが男性で13%、女性で16%低かった。
研究班は同様の疫学調査で、よく体を動かす人は死亡リスクが低いとの研究も6月に発表している。
(北海道新聞2008.07.10夕刊一部抜粋)