函館大火

◎忘れてはならぬ73年前のあの日…函館大火 慰霊法要
 2166人の尊い命が奪われた「函館大火」から73年目の3月21日、函館市大森町の函館大火慰霊堂で犠牲者の慰霊法要が営まれた。同市千歳町の亀田川沿いでは当時のような“烈風”を想定した消防訓練も行われ、関係者らはあらためて火災防止への誓いを心に刻んだ。
 市内大森町の函館大火慰霊堂では、午前9時から殉難者慰霊法要(函館市仏教会主催)が執り行われた。遺族をはじめ、福祉部長、消防長ら約80人が参列。僧侶の読経の中、焼香し、犠牲者の冥福を祈った。
 1934(昭和9)年3月21日午後6時53分に出火した函館大火は、当時の市街地の約3分の1に当たる、416・4ヘクタール、2万4186戸を焼き尽くした。当時、南南西の風が瞬間最大風速39メートルを記録し、密集した木造の建物に次々と延焼し、約半日間燃え続けるという未曾有の大火災となった。被災者は10万2001人、負傷者は9485人、2166人が命を落とした。
 大火慰霊堂は、全国からの義援金で仮堂を建立し、大火翌年の慰霊祭には約7万人が参列したと記録に残っている。38年には現在の建物が完成した。身元不明者679人が無縁仏として納骨されており、毎年3月21日に慰霊法要を行っている。
函館新聞一部抜粋)