糖尿病網膜症

糖尿病怖いのは合併症の糖尿病網膜症
 糖尿病は、中高年世代にとって気になる病気の一つ。現在、国内での糖尿病患者は約740万人で、その4割におこるのが「糖尿病網膜症」だ。50〜60代の糖尿病患者のうち、約300万人が発祥、毎年、約3000人が重篤な視力障害に陥っているという。

若い時の発症は悪化も早く非常に怖い病気。
 糖尿病では、病気そのものより合併症が問題になる。山形大学医学部情報機造統御学講座の山下英俊教授は「『糖尿病網膜症』は、神経障害、腎肥大とともに、糖尿病の3大合併症の1つで、非常に怖い病気」という。厚生労働省の調べによると、糖尿病患者は予備軍を加えると平成14年には1620万人で、平成9年から5年間で250万人も増加。それに伴い、「糖尿病網膜症」を発症する人も年々増えているという。
 発症の原因には、高血糖に加え、糖尿病罹患期間、収縮期血圧が関係する。
 糖尿病歴が長くなるほど発症の危険性が高くなり、罹患期間15年では、約5割が発症。同教授は、「症状の悪化に伴い、進行に加速度がかかる、中でも、40歳未満で糖尿病になった人は、65歳以上の人の2倍『増殖網膜症』になりやすく、重症化するスピードも早い」という。また、高血圧や高脂肪症がある場合は、発症や進展が早く起こる。重症化させないためには、早期発見、早期治療が大切だが、「問題は、血管新生が見られない『単純網膜症』や『増殖前網膜症』は自覚症状が少なく、眼科受診が遅れること。日常生活に支障がないことから糖尿病を放置し、治療を開始したときには、『糖尿病網膜症』がすっかり重症化していたというケースも少なくありません」と山下教授は警告する。

道新スポーツより)