函館は男性が少ない

 函館市の女性100人に対する男性の数(人口性比)が、低い。2005年の国勢調査(概数)では84・6人となっており、全国平均(95・3人)、全道平均(90・6人)より大幅に下回っている。生まれてくる男女は男性の方が若干多いため、15―19歳の学齢期までは男性が多いが、就職や進学などによる市外転出で、20―24歳になると91・0人(2000年国勢調査)に落ち込んでいる。
 市の新総合計画(2007―16年度)策定に向け、市企画部がまとめた人口・経済活動関係資料で分かった。函館の男性比率が低いことは以前から指摘されており、新計画では総合的な施策の中で若者の流出抑制などを図る。
 函館、全国、全道とも戦前は男性の方が多かったが、ともに戦後の1947(昭和22)年、戦死などで100人を割り込み、函館市は89・0人となった。55(昭和30)年の国勢調査で97・5人まで戻して以来、函館では減少が続き、85(昭和60)年に88・5人と90人台を割り、2005年は速報値で84・6人となった。全国平均より10・7人、全道平均よりちょうど6人少ない。
 また、年齢5歳刻みの人口性比を2000年国勢調査から見ると、0―4、5―9、10―14、15―19歳までは女性100人に対し男性が100・7―106・8人の幅で多い。しかし20―24歳で91・0人と落ち込み、25―29歳では92・2人まで持ち直す。函館では20代の女性が10人いれば、男性はほぼ9人ということになる。以降の年代は増減があるが、45―49歳の88・5人から減少の一途をたどり、65歳以上は65・7人となる。
 男性より女性の方が長寿なこともあるが、65歳以上の全国平均は72・1人、全道平均は74・7人で、やはり函館の比率は低い。
 市企画部は「国勢調査から、20―24歳で進学や就職のため函館を離れる人数は、女性より男性が多いことが分かっている。産業構造などさまざまな要素が複合的に絡んでいるため、今後策定する新総合計画では産業振興や定住促進、人材育成、快適な生活環境確保などの対策を総合的に進め、若者の人口流出の抑制や人口の流入を図りたい」と話している。
函館新聞抜粋)