コメ生産費は韓国の2倍

農水省調べ 農機具、農薬が割高
 日本のコメ生産コストが韓国の約2倍に上がることが、農水省のまとめで明らかになった。2013年時点で、水田10アール当たり生産費は韓国が7万2567円なのに対し、日本は13万4041円で、割高な農機具や農薬が全体を押し上げている。政府は環太平洋連携協定(TPP)を見据え、コストを下げて競争力を強めたい考えだ。
 生産費を構成する各種費用のうち、日本の農機具費は韓国の5.4倍、農薬費は3倍だった。韓国では農作業を農協や地方自治体に委託することが一般的で、農機具を持たない農業者が多い。肥料や農薬は少数銘柄をメーカーが大量生産するため、安く買える。日本では自ら機械を持って作業に当たる農業者が大半。肥料は細かな需要に応じて多様な種類をメーカーが生産している。こうした点が、コストの違いを生み出しているとみられる。
 政府は農薬など生産資材の価格を下げて生産者の所得を増やそうとしている。この日の会合では有職者らから「地方では農協からしか生産資材を買えず、コストが高くなる場合がある」「複数メーカーの製品で使える農機具部品を増やしてほしい」などの声が出た。
 政府は今後、農協からも意見を聴取する。農産物の輸出力強化に向けた具体策と併せ、6月に生産コスト削減策の中間取りまとめを行う方針だ。
(2016.02.26北海道新聞より一部抜粋)