塩分摂取は最小限に

■塩分摂取は最小限に 食生活でがんの危険性増減
 がんになるリスク(危険性)を高くする代表的な要因としては、ウイルスなどの感染やたばこが挙げられますが、食事を含めた日ごろの生活習慣も大きくかかわっています。国立がん研究センター(東京)などの専門家でつくる研究班は、科学的根拠に基づいて、発がんリスクを上げ下げする食品や栄養素が何かを公表しています。
 研究班は、食塩は胃がんのリスクを「ほぼ確実」に上げるとしています。日本人の食塩摂取量は、1日あたり男性で8グラム未満、女性で7グラム未満が目標です。国際的には5〜6グラム未満が目標とされています。
 塩蔵品など塩分を多く含む食品を最小限にするよう勧めています。例えば、塩辛や練りうになどを食べる回数は週1回未満にするといいでしょう。
 一方、野菜や果物を取ることで食道がんのリスクを「ほぼ確実」に下げると評価しています。野菜・果物は胃がんのリスクも下げる「可能性がある」とし、果物は肺がんのリスクを下げる「可能性がある」といいます。1日の摂取量は、野菜と果物合わせて400グラム以上が目安です。
 栄養素の及ぼす影響をめぐっては明確にリスクを上げ下げするものはありません。研究班は、食物繊維は大腸がんのリスクを、イソフラボン乳がん前立腺がんのリスクをそれぞれ下げる「可能性がある」としています。
(2015.12.02北海道新聞より抜粋)