「長いも」生産者ら 食品安全の国際認証取得

帯広市川西農協・「長いも」生産者ら 食品安全の国際認証取得 米国で中国産との差別化図る
 【帯広】帯広市川西農協の「十勝川西長いも」の生産者11戸と、同農協のナガイモ選果場、豆類の袋詰め工場が、国際的な食品安全規格のSQF認証を取得した。審査機関のSGSジャパン(横浜)によると、畑作物で同認証の取得は国内で初めてという。ナガイモの主な輸出先である米国で、競合する中国産との差別化を図る狙いだ。
 認証取得に向け、生産農家に農薬散布や収穫時期の詳細な作業記録を義務付けるなど準備を1年前から進めてきた。選果場では約100人のパート従業員に品質管理や作業工程の安全確認講習会を複数回実施。洗浄や皮むき、箱詰めなどの工程では、衛生分野を中心に約400種の調査項目の基準を満たした。
 4月中旬に行われた最終審査では、百点満点中、生産者11戸は96点、ナガイモ選果場が96点、豆の袋詰め工場が98点をそれぞれ獲得。認証は3ランクあるが、いずれも最高ランクの「エクセレント」を獲得した。
 同認証は東京五輪パラリンピックで、選手や関係者の食材納入の基準となるグローバルGAPにも準じるとされており、農産品の納入に道が開ける。
■SQF認証:Safe Quality Foodの略で、「安全で高品質な食品」であることを示す国際規格。食品そのものの安全性を担保するHACCPと品質管理システムを保証する国際標準化機構(ISO)を併せた性格を持つ。全米フードマーケティング協会が発行する。食品安全の規格の中で世界最高水準の一つとされ、米国での信用力が高い。日本国内での認証は畜産が中心になっている。
(2017.05.27北海道新聞より一部抜粋)