人参は紅葉おろしにするとビタミンCが破壊される?

人参の酵素はビタミンCを破壊する?
 「紅葉おろし」というのは、本来、大根と唐辛子をいっしょにおろしたものだが、近年では、「おろし大根」と「おろし人参」を混ぜたものをいう。
 この紅葉おろしについて、多くの本に「おろし大根」と「おろし人参」を混ぜてはいけない。人参の中のアスコルビナーゼという酵素が、大根のビタミンCを破壊してしまうので、栄養価は落ちる。と書いてある。アスコルビナーゼなどという専門的な用語まで登場するといかにも説得力があるので、この「紅葉おろしビタミンC破壊説」は多くの人が知るところととなりました。
 しかし、この説は間違いであることが学術的に常識となっている。
還元型も酸化型もきちんとビタミンCとして働く
 ビタミンCには還元型(普通のビタミンC)と酸化型(普通のビタミンCが酸化したもの)の二つがあります。紅葉おろしの中では、ビタミンC酸化酵素(ビタミンC分解酵素ではありません)が働いて、還元型ビタミンCが参加型に変わります。しかし、ビタミンCの総量はほとんど減少しません。
 重要なことは、「酸化型がヒトの体内でどの程度ビタミンCとして働くか」です。かっては「酸化型は、還元型とは違って、ビタミンCとしての効力がかなり低い」とされていました。そのため、紅葉おろしのビタミンCは「破壊される」という評価になったわけです。
 しかし、その後の実験で「酸化型ビタミンCも還元型ビタミンCとほぼ同程度の効力がある」ことが証明されたのです。
「栄養と健康のウソホント」より
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